懐かしい創業社長 O氏

先日想い出の多い経営者の訃報と喪中案内が送られてきた

最初の出会いは銀行の支店長としての私と、借入金返済に行き詰まり事業維持の目処が立たなくなっていた企業の経営者としてのO氏だった

それまでの数年に亘る膠着した状況は銀行にとってもO社長にとっても良くない状態だった

このまま時間が経過すれば早晩不良債権として強制的な措置を採らざるを得ないことが目に見えていた

私なりに考え付いたアイデアを伝え、熟慮して貰ったうえで社長個人と経営する会社の間で凍りついた賃貸不動産を売買を続けて徐々に事業を改善して頂いた

その後は極めて順調な経営が続き再びかなりの規模の資産を残して先日旅立たれた

銀行に対しては常に批判的で悪態をつくことしかなかったO氏だったが

私が転勤で支店を去る時においでになり「有難う、世話になった」とおっしゃって頂いた

それを聴いていた課長が「あの人有難うなんて言葉を知ってたんですね!」と驚いていたのが記憶に残る(笑)

ご霊前にと送っておいた線香のお礼で先ほどお嬢様から電話があり「父がいつも上田支店長の名前をフルネームで呼んで色んな人に紹介していました。写真も見せていました」と言われた

20年前の事であり全く知りもしなかったがとても嬉しい言葉だった

感謝をされるということはいくつになっても嬉しいもの

これからも出来るだけ良いことをしようと思う!