昨日10月19日は1987年にブラックマンデーが発生した日
為替のチーフディーラーとしていつも通りNYマンハッタンの部屋で働いていた
何気なく開いた株式市場で異変が起こり史上例のない大暴落に発展した
一日で23%の下落、現在の相場ならばNYダウが数時間で6000ドル、日経平均株価であれば5000円強下落したことになる
他方私の机の画面に示されている為替相場は極めて静かだった
原油市場にもそれほどの異変はなく、終日何が原因か判らず極めて不気味な一日だった
ディーリングルームは静まり返り、スタッフ全員が固唾を飲んで画面を見守っていた意を決して対円で1億ドルの売りポジションを創った、これほど株が売られてドルが売られない筈がない
夕方前にNHKニューヨークから電話があり、為替相場の解説が欲しいのでカメラを持ってくるとのこと
緊張でかなり疲労しており避けたかったのだが、やむなく受諾、てんやわんやの一日になった
ニュースは翌朝の日本で複数回流れて視聴率はジャンプアップしたとの事後報告を受けた
ドルは当日のNYで少し下がったものの東京では上げてNYに帰ってきた
翌日も翌々日もドルは下がらず、仮に1円上昇すれば1億円のロスが出る状況だった
その間は殆ど眠れず、冷や汗が流れ幾度も鳥肌が立った
その後週末が近づくにつれてドルは値を崩し徐々に下落して行った
翌週全てのドルを買い戻した結果3億円程度を稼いだように記憶する
今も思い出す38歳で迎えた戦慄の秋
死ぬまで忘れないだろう思い出になった
あんな遠い街でよく結果を出せたものだと思う
帰国後一度も訪ねていないNY
住んでいた町ライ市とマンハッタンのグランドセントラル駅を大西洋沿いのニューヘブンラインで通勤した
何時かはセンチメンタルジャーニーをと思いつつ行く機会がない
ロンドンで働く愚息と合流する形ででも訪ねなければもう機会はないのだろうと思う
日々は忙しいしどうしたらいいのだろう?
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